個人情報保護の理由を知る

こんにちは。青野です。

エニイではキャンペーンの商品発送や
アンケートなど個人に関する情報の整備といった業務を行っているため、
個人情報を取り扱うことがしばしばあり、
プライバシー保護や個人情報保護についての研修も定期的に行っています。

そんな中、最近個人情報保護について興味深い話を知ったのでご紹介したいと思います。

個人情報保護というと各国毎に保護に関する法律が制定されていたり、
企業などからの個人情報流出は都度話題になるため、
どこであっても重要度の高い事項ということが分かりますが、
EUの個人情報保護は特に厳しいそうです。

なぜ厳しいのか?というと、
第二次世界大戦中のナチスに端を発しているのだそうです。

ナチスがユダヤ人らに対して迫害を行っていたことは広く知られていますが、
その迫害でナチスは多くの人の個人情報を不正に利用していたそうです。

特に驚きなのがその収集・管理方法で、
パンチカードとホレリスシステムというものを元に実現していたそうです。

パンチカードというのは厚手の紙に複数の穴を開け、開いた穴の組み合わせで情報を示すものです。
切符などもパンチカードと言えるそうですが、マークシート、
あるいはデータベースを紙に置き換えた物、という方が近いようです。

簡単な例を言うと性別の情報を登録したい場合は「性別」を管理する列に男性なら1つ、
女性なら穴を2つという風に穴を開けます。
性別の情報を照会する場合は「性別」列を確認し、穴が1つなら男性、2なら女性と判定し、
Aさんのカードの「性別」列には穴が1つなので男性、Bさんのカードは穴が2つなので女性…
というように情報を得ることができます。
まさにデータベースです。

そしてホレリスシステムというのはパンチカードに穴を開けるための機械です。
現代のコンピューターが現れる前に大量のデータ処理や事務処理に使われていた機械でもあります。

ナチスはこれらを利用し、人種や性別、家族構成、住所、財産など
様々な個人情報を収集・管理しており、ホロコーストの一因となったとも言えるそうです。

個人情報というと大事なもの、流出させてはいけないもの、悪用してはいけないもの
個人情報保護というと個人情報を扱う上での絶対的な責務
ということをひたすら念頭に置いて行動するのがすべてであり、
なぜ?ということはあまり考えたことが無かったのですが、
これらのことを知ってみると個人情報が悪用されることの恐ろしさを強く感じました。

個人や個人情報の扱われ方は年々重要視され、進歩していますが、
業務で扱う個人情報はもちろんのこと、
自身の個人情報への向かい方についても改めて考えさせられる話でした。

今回はざっくりとした内容のみのご紹介ですが、
細かい経緯やナチスとホレリスシステムについて調べてみると、
現代でのシステムと個人情報の関係についてもより理解が深まるのではないかと思います。
お時間ある方はぜひ調べてみてください。

参考:
ナチスのユダヤ人絶滅「最終的解決(Final Solution)」を支えていた「ソリューション」
https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20150816-00048525/
技術は差別と暴力にどう加担するのか IBMとホロコーストの歴史を知る
https://globe.asahi.com/article/13672328

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