スマホで出てくる広告のお話

こんにちは飯塚@静岡です。

さて、今日はお仕事のお話ですが、
スマホをお使いの方なら、気になる話題かもしれません。

スマホを使っていると、広告がじゃんじゃん出てきますよね。
しかも、一度見たホームページの内容だったり最近探してた楽天の商品だったり。

これ「なぜわかる?」「どこまでわかってる?」と思いませんか?
こういう疑問を持たれることもあるかと思いますが、今日はそのお話です。

基本的にはGoogleの広告のお話になります。
現在のWeb広告は、ざっくりいうと
「キーワード検索広告」と「ディスプレイ広告」という2種類があります。

で、スマホを何気なく見ているときに表示されているのは
「ディスプレイ広告」です。

「キーワード検索広告」は、何かの言葉で検索した後に出てくる広告です。
ちょっと前まで主流だった広告です。

今は「ディスプレイ広告」が主流…というかいろんな方にとって身近です。
この広告は、見てる方の「行動」を解析して
その方が一番欲しいんじゃないかと思われる広告を選んで出せるものなんです。

じゃあ、どうやってそれがわかるのか?というと
みなさんが普段スマホで、調べ物をしたり、地図を使ったり、
ホームページとかを見たりYoutubeの動画を見たりしてますよね。
その行動をGoogle側が取得解析しています。

どんな情報が解析できているかというと
・住んでる地域
・興味のある地域
・性別
・年齢層
・子供の有無
・世帯年収
・興味のあること
・一度訪れたページがどこか?
この辺りのことが結構正確にわかっているようです。

お仕事でこの辺のお話をすると
まず初めに、だいたいドン引きされますw

じゃあ「どうやって?」というお話ですが、
ここは公開されていませんので憶測です。

まずスマホは位置情報を取得できますので、
それで「地域」を解析できます。

あとは「見ているホームページ」の内容から
性別と年齢層と子供の有無を割り出しているのだと思います。
これ結構正確に取れてるみたいで、
数年前の時点で、ほとんどの方は外れてなかったです。

あと「世帯年収」は、
スマホでの買い物情報からかな~、と思います。
ちょっとわかりませんが、可能だとするとその辺のデータかなと思っています。

あと「1度訪れたページ」については
クッキーという機能を単純に持たせているだけです。

こういうことが解析できる広告ですので、
かなりピンポイントで広告を出すことができます。

例えば、
——————-
沼津市に住んでる35~55歳前後の
子供をお持ちの女性に向けて、
スマホのサイトやアプリ利用時に
温泉旅行プランの広告を表示させたい。
——————-
なんてことができます。
だいぶ絞った広告が出せますので、
従来のバナー広告の費用よりもかなり低価格でできるんですね。
従来のバナー広告は、ページに来た方全員に見せる感じでしたので。

こんなふうに情報がとられていて怖い!って感じですが、
スマホやGoogleやYahooなんかのサービス、
まあインターネットを使っていたら
この辺りの行動情報は取られていると思ってください。

Googleだけでなく、Yahooも、アップル(iPhoneとか)も
マイクロソフトも情報を取っています。
取っていない会社を探す方が難しいと思います。
これが現状です。

中国なんかですと、
これよりも緻密な情報と、街のあちこちにあるカメラを使って
国家が個人を取り締まっているいるといわれてます。
企業なら、ほとんど利益のためくらいしか興味ないだろうから、
まだいいかな、と思いますけれども。

やだな~と思ったら、
今は「スマホとインターネットを使わない」くらいしか手がありません。

あのYouTuberさんたちの稼ぎも、
このディスプレイ広告の一部である
「Youtube広告」の費用から出てます。
GoogleさんのYoutube広告の売上は、
対前年比で36%増です。
まだまだ行くと思います。

で、今日お話したいのは、
この行動履歴を得ていた「クッキー」というのが
一部で使えなくなりそう、という内容です。

ヨーロッパの方では早くから、
日本でも近い内にこの「クッキー」に対する規制がかかると思います。
これは個人情報保護のためです。

最近、いろんなページ見てますと

「当社サイトではCookie を使用しています。
 閲覧する場合はクッキー利用に同意したことになります。」

といった案内がちょいちょい出ると思いますが、これがそうです。

このクッキーの使用について、
Googleが提供するブラウザ「Chrome」は
2年以内に「サードパーティークッキーの使用を停止」するそうです。
ちなみにChromeは、現在一番使われているブラウザです。

ここで言葉の解説が必要ですが
「クッキー」には
「ファーストパーティー」と「サードパーティー」の2つあります。

「ファーストパーティークッキー」は、
見ているドメインから発行されるもの
「サードパーティークッキー」は、
他のドメインから発行されるものです。

Webのマーケティングで今主流になっているのは
「サードパーティークッキー」で、
アクセス解析や様々なWebサービスで利用されています。
この方が、設置に面倒が少なく、
多様なサービスを利用できるんです。

まあ、言ってしまいますと
この「サードパーティークッキー」を利用して、
行動分析ができる他社の機能を利用できていたんですね。
Googleのアクセス解析などが代表的なものです。

なので、こうなると
上部に記した行動解析などができなくなります。
特に「興味のあること」の解析ですね。

ただGoogleさんは、この辺が凄くて
クッキーに頼らない方法を持っているといわれています。
まあ、もってるんだったら、
高らかに「サードパーティークッキー使いません!」て言えますよね。

困るのは、広告出稿側の企業です。
Googleは、独自のツールを持っていますので、
「ファーストパーティークッキー」で
ビックデータとしてガンガン解析できますが、
普通の企業は、独自のメディアやツールを持たない限り、
「ファーストパーティークッキー」での情報の取得ができません。

独自のメディアやツールを持つって、
莫大な金額と時間が必要ですからね。

そうなると、
解析できるデータをたくさん持っている
「Googleの広告」を利用するしかないじゃない、
となります。
ますますGoogleさんが強くなりそう。。。

Webのマーケターとしては、
一番使えた「一度ページに訪れたことのあるお客さん」の解析も
できなくなりますので、かなり大きく方法が変わると思います。

この規制でどうなっていくかわかりませんが、
より想像力が必要になるんでしょうね。

備えなくちゃ、ですね。