エニイのブログ

電話局番から居場所を知る(住所雑学シリーズ5)

2018年9月13日 データマネジメント

こんにちは、毎度住所ヲタ担当のK又です。今回は住所と少し絡めつつ電話局番についてお話したいと思います。

携帯電話に身に覚えのない(登録されていない)電話番号からの着信ってたまにありますね。見慣れた故郷の市外局番だったりするとつい出てしまうこともあるかもしれませんが、全く見覚えのないどこの県かも想像がつかない番号や、登録されてない東京03の電話に出ることには躊躇してしまいがちです。

この電話番号の局番から地域の特定というのはどの程度までできるものなのでしょうか。もしできるのならその情報だけである程度の絞り込みは可能になります。
最近携帯電話同士での通話が増えてしまったせいで忘れがちですが、固定電話は市内通話と市外通話で料金が違います。現在市内通話は8.5円/3分(昼間)、市外通話は距離によって違いますが60kmを超えると40円/45秒(昼間)になります。こうした電話料金の区分のために単位料金区域(message area、以降「MA」と略表記)というものが設定されており、これが市外・市内局番(電話番号の頭6桁)と関連付けられています。

これら頭6桁の電話局番と単位料金区域については総務省の「電気通信番号の利用・指定」のページに「電気通信番号指定状況」として公開されています。また、これと同じく総務省発表の「市外局番の一覧」という公開資料があり、これらを併せて確認してみると、電話局番と地域がおおよそではありますが色々と見えてきます。

たとえば「電気通信番号指定状況」のデータの1行目を見てみると、電話局番「011200」に対して、市外局番「011」、市内局番「200」、MA「札幌」(番号区画「001」)ということが分かります。
MA「札幌」は全部で800組の電話局番(011200~011999)が割り当てられており、市外局番「011」に割り当てられている局番も同様です(”011000~011199″の200組は現在は未割当)。したがってMA「札幌」=市外局番「011」ということが分かります。ここはシンプルな構成ですが、局番とMAが複雑に入り組んでいる地域もあります。

MA「札幌」と聞けば北海道の札幌市にあるんだろうと想像はつきますが、札幌市以外に具体的にどこをカバーしているかは分かりません。そこで「市外局番の一覧」の同じく1行目を見ると、番号区画「001」は市外局番「011」で、その区域は「北海道江別市、札幌市、北広島市、空知郡南幌町」となっています。番号区画「001」と市外局番「011」とでつながりますので、ここで初めて北海道の中でも札幌市だけでなく、江別市、北広島市、空知郡南幌町が対象であることが分かります。
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だったら最初から「市外局番の一覧」だけを見ればいいのでは?と思われるかもしれませんが、局番が複雑になるとそうはいきません。「市外局番の一覧」2~4行目の番号区画「002」「003」「004-2」は同じ市外局番「0123」で、市外局番からはその3区域のどれか、としか判別できませんが、「電気通信番号指定状況」から6桁の局番でどの番号区画か分かりますので、その上でどの区域かが特定できる訳です。つまり番号区画(コード)が分からないと区域は特定できない(リンクしない)、ということなのです。
たとえば電話局番が「012351」だった場合、番号区画は「003」の「夕張」で、番号区画「003」の区域は「北海道夕張市(富野を除く。)」となっており、広い北海道の中でもかなり具体的に地域特定ができます。
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これら2つのマスタを組み合わせて、局番の頭2桁を都道府県でまとめてみると下のとおりになります。

[01]-北海道、青森、岩手、秋田
[02]-宮城、山形、福島、新潟、茨城、栃木、群馬、(埼玉)、長野
[03]-東京
[04]-(茨城)、埼玉、千葉、東京、神奈川、(静岡)
[05]-山梨、(長野)、岐阜、静岡、愛知、三重
[06]-大阪、(兵庫)
[07]-富山、石川、福井、(三重)、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
[08]-鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知
[09]-福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
※カッコは県内に一部を含み他地域と被っている

何となく北(東)から南(西)へ番号が割り振られているのが分かると思います。頭5桁でまとめると殆どの局番は一つの県に収まりますが、582組あるMAのうち29区域が県をまたいでいるため、そこに関しては厳密には特定はできません。それでも9割以上の局番は都道府県別に分けることができます。

それでは市町村レベルはどうでしょうか。これはできる地域とできない地域があります。たとえばMA「いわき」の市外局番は「0246」(このMAでのみ使用)で、指定範囲は「福島県いわき市」のみです。つまりこの場合局番の頭4桁が「0246」であれば間違いなく「福島県いわき市」と特定できます。最も分かりやすいケースですが、どこでもこう簡単には行きません。

MA「いわき」と反対で局番の配置が異常に複雑なのは「042」区域でしょう。電話局番の頭3桁が「042」を持つMAは「武蔵野三鷹」「国分寺」「立川」「八王子」「相模原」「青梅」「所沢」「飯能」と8つあり、埼玉県・東京都・神奈川県と3つの都県をまたいでいます。市外局番は「04」「042」「0422」「0428」の4種類、そのうち市外局番「042」は6つのMAをまたいでいます。
この9つのMAでたとえば「八王子」(番号区画コード「224」、市外局番「042」)ですが、その指定範囲は「東京都八王子市、神奈川県相模原市緑区(小原、小渕、佐野川、澤井、寸沢嵐、千木良、名倉、日連、牧野、吉野、与瀬、与瀬本町及び若柳に限る。)」となっており、八王子市だけでなく相模原市の一部が含まれます。局番としては「042-6xx」という並びで、頭4桁(0426)に関しては全てこの「八王子」MA一つに収まっています。
「042-6xx」ときたら大抵は八王子市ということは言えますが、一部に県を越えて相模原市も含まれる、ということになります。随分と入り組んでいるように見えますが、実はこれでもまだ分かりやすい方で、もっと複雑に複数展開している局番とMAがこの界隈にはゴロゴロしています。

ところで市外局番「04」というのはちょっと耳慣れないかもしれません。これは2002~2005年の間に「柏」(旧市外局番「0471」)、「所沢」(旧市外局番「042」)、「鴨川」(旧市外局番「0470」)の各MAが市外局番を「04」にしたものです。「所沢」は埼玉県、「柏」「鴨川」は千葉県と地理的にも局番の番号でも隣接していませんが、局番の逼迫対策として同じ「04」に変更したものです。しかしMAは違いますので、当然各区域同士の通話は市外通話料金となります。
たとえば市外局番「04」になる前のMA「所沢」が元々持っていた局番は「042-9xx」でしたが、このうち30組(042-910~042-919、042-970~042-989)はMA「飯能」の使用分であるため使えるのはそれ以外の70組でした。そのため市外局番「04」に変更後に「04-2000~04-2009」(10組)が新たに(NTT以外のキャリア用に)追加されました。

このように世帯数が増えた人口過密地域は局番を増やすためより複雑に、人口密度が低い(過疎化が進む)地域はより広域(大雑把)に番号が割り振られている傾向にあります。これに平成の大合併という要素が加わりましたので地域特定を示す表現はより複雑になってきています。

結論としては、電話番号(電話局番)からは少なくとも単位料金区域が指定する地域の範囲は推定できます。地域によっては県をまたいでしまう場合もありますが、必ずどこかの地域に分類することはできます。
それは一つの市町村であったり、複数の市町村や郡、更にそこに一部特定の町域(字)を含んだり除いたりの条件が加わる場合などさまざまです。
これら組み合わせたマスタに更に必要に応じて作成したエリアマスタと組み合わせて加工すればある程度のマスタデータのようなものにはなりますが、これだけでは万能ではないこともご理解いただけるかと思います。
興味のある方は総務省のサイトからデータをダウンロードしてお試しになってみてください。公開されているものだけでも組み合わせてみると分かることは結構あるものです。